米アップルによる、度重なるiPhoneの生産計画変更によって、組み立て工場や部品メーカーなどのサプライヤー(供給網)の間で、不満の声が噴出していると、米ウォールストリート・ジャーナルが伝え、他の海外メディアでも話題になっている。

記事によると、アップルは、今秋(2018年)発売した最新モデルの3機種について、いずれも当初予定の生産台数を減らした。また、価格が最も低いモデルについて、同社は一部のサプライヤーに対し、9月から来年2月にかけて約7000万台を生産するよう注文していた。しかし10月下旬、同社はこの台数を最大で3分の1減らすという新たな計画を告げた。



 11月第3週には、サプライヤー数社に対し、同モデルの生産台数を再度縮小すると告げたという。生産計画見直しの影響は、アップルのサプライチェーン全体に及んでいるとウォールストリート・ジャーナルは伝えている。

 これら一連の計画変更は、iPhoneの需要予測がかつてより、困難になっていることが背景にあるという。
その要因の1つは、最新モデルが、従来の2機種から3機種に増えたこと。アップルは今秋、以下の3モデルを発売した。

(1)昨年発売された「iPhone X」の後継機となる「iPhone XS」

(2)その上位バージョンで、画面サイズが過去最大の6.5インチとなった「iPhone XS Max」。こちらはiPhone XSと同じくOLED(有機EL)ディスプレーを備えている。

(3)そして、6.1インチの液晶ディスプレーを搭載する下位バージョン「iPhone XR」である。

 このうちiPhone XSを除くモデルは、ディスプレーサイズが大きくなったことに伴い、販売価格が上昇した。

これに加え、同社は旧モデルの販売も続けている。こうして製品種や価格帯が広がったことで、iPhoneの需要予測はいっそう困難なものになったという。