スマートフォン(スマホ)世界2位の中国・華為技術(ファーウェイ)が首位奪取をにらみ足場を固めようとしている。今年4~6月期に米アップルを抜き、7~9月期も2位を維持した。だが米中貿易摩擦という逆風が吹き、米国市場に本格参入するめどは立っていない。今までの高成長を持続できるのか。これまでの手法にこだわらない新しい経営戦略を打ち出そうとしている。
ドコモがファーウェイと製品開発を始めたのは発売の1年以上前だ。ドコモのネットワークや非接触通信技術「フェリカ」への対応、防水機能など日本向け仕様の擦り合わせのため、両社の企画担当者や技術者が日中間を何度も往復した。


世界のスマホ市場でもファーウェイは「3強」としての地歩を固めている。米IDCの調査では、今年4~6月期にファーウェイのシェアが15.8%とアップル(12.1%)を抜き、初の2位となった。前年同期から出荷台数を4割増やし、韓国サムスン電子とアップルの「2強」に割って入った。1日に発表した7~9月期の出荷でも2位を維持した。
欧州でも攻勢をかける。18年4~6月期はサムスンとアップルがシェアを落とす一方、ファーウェイは旗艦モデルの「P20」がけん引したことでシェアを11ポイント伸ばした。独ライカとの共同研究を進めるほか、日本では品川に画像処理に特化した研究拠点も持つ。
12年にはすでに傘下の半導体設計メーカー、海思半導体(ハイシリコン)がチップセットを開発している。10月にはAIなど向けの高性能な半導体チップの量産を始めると発表した。ファーウェイの徐直軍(エリック・シュー)輪番会長は記者会見で「チップの計算能力は世界一で(米半導体大手の)エヌビディアを上回る」と強調した。


ファーウェイ(華為) 知られざる世界最強のIT企業 / 東洋経済新報社/ 田涛
ファーウェイ(華為) 知られざる世界最強のIT企業 / 東洋経済新報社/ 田涛