台湾の26日付け経済日報によると、経営再建中のジャパンディスブレイが中国のタッチパネル最大手、O-Film Techや、中国政府が出資するシルクロード基金から成るグループと出資受け入れをめぐる交渉を行っているとのことだ。

JDIはアップルのスマートフォンiPhone XR向けの液晶パネルの最大サプライヤーだが、仮に中国による出資が実現すれば、米中貿易戦争の動向を重視するアップルから安定供給懸念のため発注を打ち切られる恐れがあるとしている。



その場合、AUO/Innoluxの台湾勢が初めてiPhone用パネルを受注する可能性が開かれると指摘。AUOはかつてタブレット端末iPad向けに液晶パネルを納入した実績があり、Innoluxはアップルと提携関係にある鴻海精密工業の傘下企業のためサプライチェーン入りの観点で有利な位置にある。

台湾パネルメーカーは、いまだiPhoneに製品を供給した実績はない。iPhoneはディスブレイへの有機EL採用を進めているものの、有機EL機種は価格が高いため、今年発売した新製品3機種の中でも液晶パネル採用のiPhone XRの売れ行きが最もよく、パネル需要のけん引役を果たしている。