yamagata univ index山形大の硯里(すずり)善幸准教授と、薬品によるガラス加工処理などのNSC(大阪府、川久(かわきゅう)慶人社長)は17日、ガラス基板を用いた曲がる有機ELパネルを開発したと発表した。耐用性の高さや、コストを抑えられることが強みで、計器類のディスプレーやランプなど自動車産業での活用につなげる考え。2021年の実用化を目指している。

 開発したパネルは縦100ミリ、横200ミリ、厚さ0.15ミリ。ガラス板2枚で挟む構造で、内部の有機ELと保護膜の層の厚さを0.01ミリにとどめた。ポイントは「厚く作ってから薄くする」こと。約1ミリのパネルを作り、薬品でガラスの表面を溶かす「ケミカル研磨」技術で薄く仕上げ、曲げられるようにする。



 曲げられる「フレキシブル有機EL」はフィルムでも製造されているが、ガラスは耐用年数が長く、有機ELの弱点である水分を防ぐバリアー層の加工も必要がない。山形大小白川キャンパスで同日、記者会見した硯里准教授は「曲げて固定できる有機ELパネルを安価に信頼性高く提供できる」と語った。

 価格について、NSC生産技術本部の田村達彦技師長は「有機ELパネルは液晶の倍と言われるが、液晶並みに近づけたい」と述べた。今後は既存の製造ラインに合うサイズの実証、耐用性向上などに取り組む。

 研究は経済産業省の戦略的基盤技術高度化支援事業(17~19年度)の支援で行っている。開発したパネルは自動車関係の先端技術を集めた「オートモーティブワールド2019」(東京都、16~18日)に出品している。