QM8001-PN1-3テレビに使う大型液晶パネルが一段と値下がりした。主力の32型は1月の大口取引価格が前月比で9%下がり、1年間の下落率は4割に達した。地方政府の補助金を受けた中国メーカーの増産が止まらず、在庫が積み上がっている。採算割れに陥ったメーカーの生産調整が進む可能性はあるが、3月ごろまでは下落基調が続く見通しだ。

パネルメーカーと家電メーカーによるオープンセル(バックライトなどがつかない半製品)の32型の1月の大口価格は前月比4ドル安い1枚41ドル前後に決まった。下落は4カ月連続。2018年夏にいったん上昇したが同年秋から下落している。



55型は1枚143ドル前後、65型は220ドル前後といずれも前月比3%下落した。それぞれ前年比では2割、3割安い。

地方政府の補助金を強みに中国メーカーは設備増強と生産性向上を進めている。京東方科技集団(BOE)が17年末に稼働させた大型ガラス基板を使う「10.5世代」工場は「18年秋から良品率が大きく向上した」(パネル部材メーカー)。

中国大手の華星光電(CSOT)も「1月から10.5世代の工場で本格生産を始めた」(英調査会社IHSマークイットの謝勤益シニアディレクター)。液晶テレビの需要は世界的に伸びているが、これを上回るペースで供給が拡大し、在庫が積み上がっている。

中国勢に比べ、韓国や台湾などのパネルメーカーは価格競争力に劣るとされる。韓国のLGディスプレーなど大手メーカーの損益は急速に悪化。あるアナリストは「19年1~3月期にはサイズによってパネル価格が製造コストと同水準になる可能性が高い」とみる。

国内の大手家電量販店では、主要家電メーカーの55型液晶テレビが1台12万~25万円程度で販売される例が目立つ。パネルの値下がりが進めば、テレビ価格のさらなる下落につながりそうだ。