東レは有機ELディスプレーなどに使う樹脂ペーストを増産する。2019年末に新工場棟を稼働し、生産能力を2~3割上積みする。足元では有機ELを搭載したスマートフォンは苦戦中だが、テレビ向けも含め有機ELの需要は高まると判断した。
電子情報材料の売上高を22年3月期までに前期実績比5割増の1千億円まで増やす。



東海工場(愛知県東海市)の敷地内に新しい工場棟を建設する。投資額は数十億円になるもよう。樹脂ペーストの生産拠点は滋賀事業場(大津市)に次いで2カ所目。東海工場では今後も能力増強を進める見込みだ。

光に反応して固まる感光性樹脂ペーストは半導体や電子部品の材料になる。有機ELではパネル上に「部屋」を形成し、3色の発光材料を区切るための隔壁材になる。

東レの隔壁材は世界シェアでほぼ100%。中韓のパネル大手に入り込み、業界標準になっている。

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