ジャパンディスプレイ(JDI)は12日、台湾の電子部品メーカーなどで構成する台中連合3社から800億円の金融支援を受け入れることを発表した。都内で記者会見した月崎義幸社長は今後について「国内拠点の統廃合を視野に入れる」と述べた。主な一問一答は以下の通り。

――これまでもINCJ(旧産業革新機構)から金融支援を受けてながらも経営が悪化してきた。何がいけなかったか。

月崎氏「主力の液晶パネルの販売先がスマートフォン(スマホ)に依存していたことが原因だ。最大の需要に備えた生産能力を持っていなければならない一方、急速な需要の変化にも左右される。固定費が高く、小回りのきかない経営体制だった。こうした経営体制にメスを入れ、製品のポートフォリオの幅を広げることでスマホ一本足打法から脱却したい」



――台中3社からなる連合から金融支援を受けられるという確約はどの程度あるのか。

菊岡稔執行役員「既に(融資する意思を明らかにする)コミットメントレターをもらっている。関東財務局や東京証券取引所にも相談しており、取締役会でも資本注入を受けるに当たり十分な確認がとれているとの認識をしている。当局からの判断も頂いた上で発表している」

--2012年に発足した「日の丸」液晶会社の姿が大きく変わることをどうとらえているか。

月崎氏「日の丸液晶と言われるものの、私たちが展開するビジネスはすでに全世界に広がっている。顧客層も同様で、輸出比率は9割以上にのぼる。資金調達においても日本だけに頼らずに、世界から調達して次の飛躍に続けていく。私たちはグローバル企業であるという認識を持ち、枠にとらわれずに資金調達をしたい」

――自力で再建できなかったことの責任をどう受け止めるか。

月崎氏「こんにちに至った経緯については重くとらえている」

大島隆宣常務執行役員「もともと旧3社(日立製作所、東芝、ソニー)の製品ポートフォリオを補完する形でJDIに統合した。シェア1位となった車載向け事業ではこうした3社の強みが生かされて、ここにきているという歴史がある。今後も国内のみならずアジアをはじめグローバルな提携で事業を強化していきたい」

――固定費削減を進めていくとのことだが人員削減、工場閉鎖などは検討しているか。

月崎氏「国内拠点の統廃合を視野に入れている」

――中国で有機EL工場を建設する予定はあるか。

月崎氏「今後の協議内容の中には視野に入る」

――台中連合からの出資は株主総会の特別決議が得られなければ実現しない。既に株主との協議を進めているか。

菊岡氏「指摘の通り、特別決議を得られない場合は資本注入は実現できない。株主に対しては現状を説明し、これが我々として健全に事業を運営していく上で最適な手段だということを証明していく」

――交渉がかなり難航したようだ。

月崎氏「条件を擦り合わせるのに時間がかかったのは確かだが、我々にとって一番よいパートナーを選ぶことができた。これから技術力を磨き、顧客が満足する製品を届けることが私たちの最終的なゴールだ。株主や従業員を含めたステークホルダーにどう恩返ししていくかを考えていく。まだまだこれからだ」

【中古】液晶の歴史 /朝日新聞出版/デイヴィッド・ダンマ- (単行本)
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