DSCC OKED 001米Display Supply Chain Consultants(DSCC)は4月23日(米国時間)、「有機EL材料の市場規模は2018年に10.4憶ドルに達した。2019年は11.3億ドルを見込み、2023年には2018年の約2倍の21.3億ドルまで拡大する」という予測を発表した。

2017年から2023年までは年平均成長率は16%であり、有機EL材料は依然としてディスプレイ業界において2桁成長を続ける手堅い分野の1つであり続けるという。

今回の予測は、韓LGディスプレイの有機EL照明事業から撤退も考慮したものとしており、この影響で照明用有機EL材料市場が減速するのは避けられないものの、有機EL材料市場全体に与える影響は微々たるものであるという。



テレビやモバイル用途でのAMOLED(アクティブマトリックス有機EL)の成長は、引き続き有機EL材料市場を支える柱であり、2桁成長は堅いとDSCCは見ている。有機EL材料市場ではテレビ用の比重が高く、モバイル用と同等の規模となっている。テレビ用は今後も堅調に増加していくが、モバイル用ではSamsung Displayを追随していく中国パネルメーカー向け需要の増加が牽引役となっていくとDSCCは予測している。

スマートフォンのディスプレイは、液晶から高精細度有機ELに切り替わってきており、経営難に陥っているジャパンディスプレイ(JDI)は台中連合傘下で、遅ればせながら有機ELパネル事業の立ち上げを急いでいる。しかし、中国の京東方科技集団(BOE)は2019年に有機EL製造に15億ドル(1680億円)の設備投資を計画しており、中国勢とSamsung Displayの投資競争のはざまで、JDIが生き残りをかけてどのような戦略をとるか注目される