kaku fujin 86274369e来年行われる台湾の総統選に出馬を表明した、鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘(テリー・ゴウ、Terry Gou)会長(69)が、出馬に対する妻の反対を「後宮は政治に首を突っ込むべきではない」として一蹴したと伝えられ、激しい非難を浴びている。

 富士康集団(フォックスコン、Foxconn)を傘下に置く大手電子機器メーカーである鴻海の郭氏は先週、道教の女神「媽祖(Matsu)」から促されたとして、来年1月に行われる総統選への出馬を電撃的に発表した。

 率直な物言いで知られる郭氏は、中国寄りの野党・国民党(KMT)からの指名獲得を目指している。

 だが郭氏の妻、曾馨瑩(デリア・ツェン、Delia Tseng)氏は、夫の政界進出を喜んでいないとされており、25日にテレビで放送された一連のインタビューで郭氏は、出馬を表明した後に妻が家を出ていったと明かした。



 地元テレビ局の番組で郭氏は、「私にとって目下最大の難題は、家を出てしまった妻についてだ」と発言。

 さらに妻の家出に対する反応を記者から尋ねられた郭氏は、「後宮が政治に首を突っ込むべきではない」と話したと、複数のメディアが報じている。

 この発言はソーシャルメディアで激しい反発を招き、同氏への批判者たちからは、女性に対して無礼であり「皇帝の権威的なメンタリティー」と非難する声が上がった。

 著名なフェミニズム運動家の范雲(Fan Yun)氏は自身のフェイスブック(Facebook)ページへの投稿で、「郭会長は自分のことを誰と思っているのか? 皇帝になりたいなら中国本土に行って、習(近平、Xi Jinping)氏の後を継ぐべきだ」と批判。「立候補を表明した時、女性(媽祖)がそう命じたと言っておきながら、女性は政治に首を突っ込むべきではないと言っている」と指摘した。

 郭氏は翌26日、自身の失言について謝罪し、妻が戻ってきたことを明かし、「不適切な例えを用いたことを、この場で謝りたい。そして、意見をくれた全ての人々に感謝したい。自分自身について謙虚に反省する」と述べた。