液晶パネル大手、群創光電(イノラックス)は15日、董事長・総経理で15%、協理以上の管理職で10%の減給を決定した。洪進揚董事長は、2四半期連続で赤字を計上したことに対する引責と説明。パネル業界は、中国メーカーの相次ぐ新工場稼働や米中貿易戦争の影響で景気低迷が鮮明になっている。16日付経済日報などが報じた。

イノラックスは、第1四半期の赤字額が37億2,500万台湾元(約131億円)へと前期の6億9,700万元から大幅に拡大した。これに伴い、洪董事長、楊柱祥総経理は5月から、協理以上の十数人の幹部は6月からの減給を決定した。同社は、中国メーカーの新工場稼働に伴う供給過剰や、韓国メーカーによる有機EL(OLED)や量子ドットディスプレイ(QLED)など新技術推進を背景に液晶パネルは価格下落が続いており、さらに米中貿易戦争が需要低迷を招き、業界の景気低迷の深刻さは従来予測をはるかに上回っていると指摘した。



 ただ、一般の従業員約2万7,000人に対しては、例年通り8月に賃上げを行い、人材流出を防ぐ方針だ。

 同様に第1四半期業績が赤字だった同業大手の友達光電(AUO)は、幹部クラスの報酬は従来より業績と密接に連動していると説明。人材引き留めを目的に、先月に従業員の給与引き上げを行ったばかりと強調した。

 経営再建中の中小型液晶パネルメーカー、中華映管(CPT)は、今年初めから幹部の減給を行っている。

 なお、先日宸鴻科技集団(TPKホールディング)などから成る中台連合より金融支援を受けることを決定した日本の中小型液晶パネルメーカー、ジャパンディスプレイ(JDI)は15日、1,000人規模の人員削減を発表した。