三菱重工業は24日、電力供給がない地域でも再生可能エネルギーを安定的に活用できる発電設備を開発し、2019年度中にも提供を始めると発表した。太陽光発電とエンジン、蓄電池の3種類の電源を使う「トリプルハイブリッド発電」方式で、天候や昼夜の時間帯の変化に発電量を左右されにくい。アフリカや東南アジアなどへの普及を目指す。

開発した新システム「イブロックス」を同日に公開した。同システムは電力供給がない地域でも再生エネルギーを有効に使いながら、安定的に電気を供給できる発電設備だ。再生エネルギーを電源の供給源として使える比率を高められるという。現在は太陽光に対応しているが、今後は風力発電にも対応できるようにする。



同日会見した三菱重工エンジン&ターボチャージャの梶野武社長は「(電気が通っていない地域が多い)アフリカなど新たな市場へ入りやすくなる」と話した。

新たな制御方式を採用し、安定して電気を供給できるようにした。災害への対応として事業継続計画(BCP)に関心が高い日本国内の工場向けにも販売していく方針だ。設備の価格として「アフリカなどでは1キロワットあたり30万円程度を見込んでいる」(同社)という。