経営再建中の液晶パネル大手ジャパンディスプレイ(JDI)に対し、米アップルが1億ドル(約107億円)を出資する方向になった。JDIにとって、アップルは直近の売上高の6割を占める大口顧客。中国・台湾の企業連合による金融支援の枠組みが崩れるなか、大口顧客の支援も仰ぎ、再建の道筋をつけることをめざす。

 JDIは5月、アップルからの約1千億円の借り入れについて、四半期ごとの返済額を半額に減らして返済期間を延ばすことで合意した。アップルは重要な取引先であるJDIの再建を支えるため、さらなる支援に踏み込む。



 複数の関係者によると、アップルは当初、JDIが出資の受け入れ交渉をしていた台湾の電子部品大手TPKホールディングを通じた出資を水面下で模索した。TPKが交渉から離脱したため、交渉を続ける中国の大手投資会社ハーベストグループを通じて出資する方向だという。

 ハーベストと香港の投資ファンドのオアシス・マネジメントも計582億円の出資を検討しており、27日までに出資に必要な手続きをとるとしている。アップルが出資者に加わることで、両社の支援決定の追い風になるか注目される。