業績不振が続く中小型液晶パネル大手ジャパンディスプレイ(JDI)に対し、米アップルが1億ドル(約107億円)の出資を検討していることが27日、明らかになった。だが、支援を表明していた中国の投資ファンドが支援を決定した一方で、香港の投資ファンドは期限だった同日までに支援決定を通知せず、最大800億円を検討していたJDI支援の枠組みは決まらなかった。

JDIは2019年3月期連結決算で5年連続で最終赤字を計上し、負債が資産を上回る債務超過に近づいているほか、今後資金不足に陥るリスクも指摘されている。



 JDIはアップルのスマートフォン(スマホ)「iPhone(アイフォーン)」向けに液晶パネルを供給。直近の売上高の6割をアップルが占めるが、アップルにとっても取引先の経営不振は今後のスマホの安定供給に影響を与えかねない。このため、5月にはJDIに貸し出している約1000億円の返済期限を一部延長する支援策を打ち出していた。

 しかし、中国と台湾の3社連合が最大800億円出資するという当初の合意は、その後3社の機関決定が遅れ、最終的に台湾2社が離脱。このため、アップルも追加支援の検討を余儀なくされた模様だ。

 一方、台中3社連合のうち唯一残った中国の投資ファンド「ハーベスト・テック」は、香港の投資ファンドなどとともに、JDIに800億円程度出資支援することで調整、27日を正式合意の期限としていた。しかし、香港のファンドが期限までに回答しなかった。JDIは、28日未明の発表で、香港のファンドの支援が実現した場合でも約117億円不足すると明らかにした。

 JDIの支援枠組みはこれまでも二転三転しており、金融関係者の間では新たな支援枠組みの実現性を懸念する声もある。JDIは、7月から全従業員の約25%にあたる1200人の早期退職を募集するなどリストラを進めるが、主力の液晶パネルの国際競争は激しく業績回復への道のりは険しい。