米中貿易摩擦の影響で、テレビ向け液晶パネルの価格が下落している。指標となる32型のオープンセル(バックライトなどがつかない半製品)の5月の大口取引価格は、前月に比べ約1%下落。3月、4月の値上がりから一転してマイナスとなった。55型も値下がり幅が拡大した。

2型の取引価格は、前月比約1%低い1枚43ドル前後。値下がりに転じたのは5月に米国がテレビを含むほぼ全ての中国製品の関税を上乗せする「第4弾」の検討を表明したためだ。世界的に需要が落ち込むとの見方が広がった。



32型はもともと供給過剰で価格下落が続いていたが、今年に入り中国の京東方科技集団(BOE)や韓国のサムスンディスプレーなどが生産調整に乗り出し、3月には価格が約4%上昇していた。

当初は値上がり傾向が夏ごろまで3カ月程度は続くとの見方が強かったが、米政府が「第4弾」の検討を表明したことで状況が一変。一大商戦である年末商戦に向けた価格交渉で、中韓などのテレビメーカーが需要見通しやパネル発注を一時的に絞る動きが広がった。

55型の5月の取引価格は133ドル前後。前月比2%低下と下落幅が拡大した。55型についても5月前後には価格が下げ止まるとの見方もあったが、米調査会社DSCCの田村喜男アジア代表は「55型は流通在庫が多く下落幅が広がった」としたうえで「55型に引きずられて、一時的に流通在庫の比較的少ない32型や43型も値下がりするだろう」と指摘している。