政府は1日、韓国への輸出規制を厳しくするため、半導体材料の審査を厳密にし、安全保障上の友好国の指定も取り消すと発表した。韓国政府は対抗措置の検討を表明し、半導体大手SKハイニックスは工場の操業継続への懸念に言及した。半導体メモリー市場で5~7割のシェアを持つ韓国からの出荷が滞れば、世界に影響が広がる可能性がある。

韓国への輸出規制は2段階で強化する。まず4日から、フッ化ポリイミド、レジスト(感光材)、エッチングガス(フッ化水素)の3品目で個別の審査や許可を必要とする。さらに8月をメドに、韓国を安全保障上の友好国である「ホワイト国」の指定からはずす。

米国やドイツ、フランスなど27カ国を指定しており、取り消しは韓国が初めて。軍事転用の恐れがある製品の輸出は許可が必要になる。



今回の規制についてデロイトトーマツコンサルティングの羽生田慶介執行役員は「日本が自主的に判断していい分野なので、世界貿易機関(WTO)ルールには抵触しないだろう」とする。一方、「WTO協定違反の疑いもあるグレーな措置」(早稲田大学の福永有夏教授)との指摘もある。

韓国の産業通商資源省は「WTOへの提訴など必要な措置をとる」と表明。成允模(ソン・ユンモ)産業通商資源相は「(今回の日本の措置を)韓国の技術力を高める契機にする」とした。

日本の輸出審査にかかる時間は約3カ月が標準で、これが韓国勢の生産に影響を及ぼす可能性がある。材料の在庫量は通常、1~2カ月分という。SK関係者は日本経済新聞の取材に対し、同社の在庫量は「3カ月は無い」とした。

「追加調達ができず3カ月が過ぎれば、工場の稼働は停止するのか」との質問に対しては、「そうだ」と答えた。

規制対象の3品目は日本企業の世界シェアが高く、フッ化水素は8~9割に達する。調達先を変更しようとしても代替品が見つからない可能性が高い。サムスン電子は「状況を精査している」と具体的な説明を避けた。

韓国企業は半導体で高いシェアを持ち、半導体売上高はサムスンが世界で首位、SKが3位だ。データを保存するメモリー半導体に強く、DRAMは韓国勢が世界シェアの7割、NAND型フラッシュメモリーは5割を握る。スマートフォンやテレビ、パソコンなど幅広い電子機器に搭載されている。

ある日本の電機大手は「韓国からメモリーなどの供給が滞ってアップルのiPhoneの生産が減れば、自社の部品供給にも影響する可能性がある」としている。