5012072019TJC001-PB1-1経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)は12日、同社を支援する予定の中国の投資会社から、約800億円の金融支援を実施するメドがついたという通知を受けたと発表した。ただ支援の枠組みは何度も変わった経緯があり、実際に資金が振り込まれるまでは予断を許さない。

JDIによると、中国の嘉実基金管理グループが、支援額を約525億円から約633億円に増やすと通知してきたという。JDIは8月29日に支援受け入れを決議する臨時株主総会を開き、12月末までの資金の受け取りを目指す。

JDIは4月に台中3社連合から最大800億円の支援を受け入れると発表したが、6月に台湾2社が離脱した。新たに香港のヘッジファンド、オアシス・マネジメントが加わり最低約162億円を支援することになったが、それでも110億円以上が不足していた。



嘉実基金が不足分を負担することを決めたのは、アップルが108億円の拠出で嘉実基金と合意し、JDIの支援に前向きな姿勢をみせたことなどが影響したとみられる。アップルの後押しがあれば、再建も進めやすいと判断したようだ。

ただ懸念材料は多い。嘉実基金はJDI支援のために新たなファンドを組成するが、必要な資金はこれから集めるようだ。これまでの交渉過程で、嘉実基金はJDIへの支援に後ろ向きだった時期もあるだけに、支援額が再び変わる可能性などもゼロとは言えない。

関係者の間では、JDIの資金繰りは「9月までメドが立っている」との声も出ている。しかし、筆頭株主で官民ファンドのINCJ(旧産業革新機構)による追加のつなぎ融資が必要になるとみられる。中国の投資会社などからの資金を受け取るまでは、INCJ頼みの構図が続きそうだ。

12日には、12月末までにスマホ向けパネル事業を分社化し、子会社とした上で外部から出資者を募ると発表した。複数の関係者によると、中国の維信諾顕示技術(ビジョノックス)やTCL、天馬微電子などが候補に挙がっているもようだ。

スマホ向け事業を分社化すれば、JDI本体には車載向け事業などが残る。スマホ向けは需要の変動リスクが大きい。分社化でリスクを軽減すれば、JDI本体は比較的安定した車載向けに注力できるため、嘉実基金も容認しているようだ。

ただ本体への支援が済んでいないのに、新たな構造改革プランを打ち出すのは異例といえる。4月以降、何度も再建プランを修正しており、市場関係者の間でJDIに対する不信感は根強い。スマホ向けパネルなどの事業環境が一段と悪化するリスクもあるなか、なお先行きは不透明だ。