テレビを年間1800万台販売し、グローバルでベスト3のシェアを争う超大規模メーカー、ハイセンス。今回、中国にある本社、そして高品位な製品を大量に作っている最先端の工場を訪ねた。
ハイセンス本社は、中国の山東省、青島(チンタオ)の中心部にある。青島ビールで世界的に有名なこの都市は、港湾都市として栄えており、周辺地域もあわせた人口規模は1,000万人を超える。
ハイセンスが創業したのは1969年にさかのぼる。つまり今年は、同社創業50周年にあたる。ハイセンス本社は25階建ての高層ビルだが、うちワンフロアがショールームになっており、50年前の創業当時に作られたラジオやテレビが置かれていたり、50年の歴史を辿ることができる。一方で、最新機器や最新のソリューションも大量に展示されており、ハイセンスの今とこれからを一堂に見ることができる。


その商品群の開発を行っているのが、同社が誇るR&Dセンターだ。青島郊外にあるこの拠点を訪れてみると、まずその広さに驚かされる。見渡す限り、巨大な開発棟が数十棟は建ち並び、視界に入りきらない。同社のスケールの大きさを思い知らされた。
機密が多いため外観しか撮影できなかったが、中に入ると、ハイセンスの技術の源泉を垣間見ることができた。
たとえば、パネルモジュールの光学テストを行う機器は、全自動で5軸移動しながら測定を全自動で繰り返し、視野角など様々なパネル特性を調べられるというもの。コニカミノルタなどと共同開発したもので、1台1,800万円という代物だ。
2時間程度でパネルの素性を洗い出すことができ、その結果を受けて商品に使えるかどうか、そして画質チューニングの際、その特性をどう活用すべきか、すぐにデータを引き出せる。こういった機器があれば、開発の迅速化につながる。ちなみに中国メーカーで、全自動測定機を所有しているのはハイセンスだけとのこと。この高価な機材を、ハイセンスは2つ所有している。
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