中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)は16日、次世代通信規格「5G」に対応する同社初のスマートフォンを中国で発売した。15日までで100万台を超える予約があり、出足は好調だという。米国の制裁を受けて海外でのスマホ販売が減速するなか、5G分野で攻勢をかけ、中国のスマホ需要を喚起する。

「5Gをいち早く体験したくて買い替えた」。南部の広東省広州市にあるファーウェイの販売店で16日、5G対応スマホ「Mate20X 5G」を購入した若い男性客が話した。価格は6199元(約9万3千円)で、自社開発の半導体を搭載し、ドイツの高級カメラブランド「ライカ」と組みカメラの性能も高めた。店内は予約していた商品を引き取る客でにぎわった。



広州市の中心部ではまだ5G用の通信網は十分に整備されておらず、この店舗内では16日に5Gを試せなかった。ただ店員は「市の郊外ではすでに使える。利用できる地域は今後広がる」と説明した。実際、中国移動通信集団など通信大手3社は急ピッチで整備しており、2019年末までには中国の主要都市の多くで使えるようになる見通しだ。

中国ではファーウェイと同業の中興通訊(ZTE)も5日に5G対応スマホを発売した。ファーウェイは9月に別途、折り畳み型の5G対応スマホ「MateX」も発売する見込みで、今後は中国で種類が一段と増える。

米国は5月、安全保障上の懸念を理由にファーウェイに対する事実上の輸出禁止措置を発動し、同社は米国製のソフトウエアや部品の調達が制限され、スマホの機能が低下する懸念が広がった。同社幹部は制裁の影響で、4~6月のスマホの世界出荷が当初見込みの7000万台から約1000万台減ったと述べた。

一方、中国内では販売促進を強化し、米国の制裁に反対する「愛国的」な消費もあり販売は急増する。米調査会社IDCによると、中国での4~6月のファーウェイのスマホ出荷台数は前年同期比27%増の3630万台で、市場シェアは37%と前年同期から10ポイント近く伸びた。4~6月に中国全体のスマホ出荷台数が約6%減るなか、好調ぶりが際立つ。