中国の物量攻勢に韓国製液晶パネルが力を失っている。サムスンディスプレーは忠清南道牙山(チュンチョンナムド・アサン)の工場の第8.5世代液晶パネル生産ラインのうちL-8-1ラインを近く稼動中断する。LGディスプレーも最近京畿道坡州(キョンギド・パジュ)の工場にある同じ世代の液晶パネルラインの稼動中断を検討している。

最近市場調査会社IHSマーケットが調査した結果、テレビ用65インチ液晶パネルの平均価格は先月基準185ドルで、前年同期の245ドルから24%下がった。あるディスプレーメーカー関係者は、「中国企業などが大規模に在庫を保有しており、今後もパネル価格が下落するとの見通しが多い」と説明した。

中国トップのBOEは昨年末に第10.5世代液晶パネルラインを本格稼動した後、韓国企業よりも低い原価で月12万枚のパネルを量産している。BOEは2番目の第10.5世代工場である「B17」、中国のテレビメーカーTCLの子会社チャイナスター(CSOT)も第10.5世代液晶パネル生産ライン「T6」を年内に稼動する。



サムスンとLGが第8.5世代液晶パネルの生産中断まで検討する理由も中国の第10.5世代と比較して競争力の差を克服するのが難しい状況に置かれたためだ。第10.5世代は現在最も大きい横2940ミリ・縦3370ミリのサイズの液晶パネル基板で、65インチのテレビ用パネルを作る際に韓国の第8.5世代では3枚生産できるが、第10.5世代では8枚まで作れる。テレビが大型化するほど第10.5世代の競争力はさらに高まる。

中国のディスプレーメーカーは政府補助金と金融機関支援などを背景に大規模な投資を進め韓国を予想よりはやく追い越した。BOEだけでも第10.5世代ライン建設にかけた投資額460億元のうち自己資金は6.5%の30億元にすぎない。合肥市傘下の公企業が45.5%の210億元、公共投資ファンドが13%の60億元を投資した。特定企業に対する政府補助金支給は世界貿易機関(WTO)の協定違反事項だが、中国当局はものともせずに「自国企業の後押し」を継続するとみられる。

韓国企業等は自ら発光する有機ELに出口戦略を求めている。LGディスプレーは当初計画と違い坡州P10新工場を液晶パネルではなく第10.5世代有機ELラインに直行することを最近決めた。

LGディスプレーの最大の課題はテレビ用有機ELよりはモバイル機器に使われる中小型有機ELの歩留まりを引き上げることだ。上半期に記録した5000億ウォン台の営業赤字を減らすには結局大口顧客であるアップルを捕まえるのが急務だ。アップルは有機ELを初めて搭載した「iPhoneX」の時からサムスンディスプレーからモバイルパネルを事実上単独供給を受けてきた。

モバイル用中小型有機ELがキャッシュカウであるサムスンディスプレーは大型有機EL市場参入をめぐり系列会社間の交通整理が必要な状態だ。サムスンディスプレーは大型液晶パネルに代えるため量子ドット(QD)有機ELの研究開発を進めているが、親会社であるサムスン電子は液晶パネルに量子ドットフィルムを重ねたQLEDテレビを主力商品に掲げる。上半期のQLEDテレビ販売台数が190万台で有機ELテレビの130万台より60万台ほど多く売れたのも親会社であるサムスン電子の軍配を上げる数値だ。

有機ELへの転換過程で既存人材の構造調整が避けられないという点も韓国のディスプレー業界の悩みだ。昨年9月にLGディスプレーは会社創業以来初めて既存の液晶パネル生産ラインから希望退職を募った。この時全従業員の6%水準である2000人ほどが申請したという。同社は希望退職を再度検討している。サムスンもやはりテレビ市場がブラウン管からプラズマパネルを経て液晶パネルに転換されてから、旧サムスン電管のサムスンSDIをバッテリーメーカーに全面的に構造調整した。