李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長が「次世代ディスプレー」開発を強く注文した。液晶ディスプレー(LCD)が中国企業の物量攻勢で危機を迎えた中、サムスンの次世代ディスプレーの量子ドット有機EL(QD OLED)量産が繰り上げられるという見方が出ている。

李副会長は26日、サムスン電子の子会社サムスンディスプレイの忠清南道牙山(アサン)事業場を訪問し、「いまLCDが厳しいからといって大型ディスプレーを放棄してはいけない。新技術の開発に拍車を加え、近づく新しい未来をリードしなければいけない」と話した。李副会長はサムスン電子デバイスソリューション(DS)部門の金己男(キム・ギナム)副会長、李東燻(イ・ドンフン)サムスンディスプレイ社長らと会議を開き、「危機と機会は絶えず繰り返される。技術だけが生き残る道」と改めて強調した。



李副会長が「国政壟断」をめぐる最高裁宣告を29日に控えた状況でも牙山事業場を訪れたのは、次世代ディスプレー市場を中国に奪われてはいけないという危機感のためとみられる。李副会長は昨年2月の控訴審判決で釈放された直後にもサムスンディスプレイの事業場を訪問したという。その後、同年10月にも詳細な報告を受け、テレビ用大型OLEDなど技術開発を強調した。

サムスンディスプレイの主力はモバイル用の中・小型OLED。アップルのiPhoneにOLEDパネルを単独供給するなど市場を主導してきたが、最近アップルがLGディスプレイや中国BOEからも調達することにし、独占的な地位が揺らいでいる。

テレビ用の大型LCD事業は危機に直面している。BOEなど中国企業が政府の支援を受けながら低コストでテレビ用大型LCDパネルを大量生産しているからだ。サムスンディスプレイは近く牙山工場LCD生産ラインの一部の稼働を中断する計画だ。

現在のところ最も有力な対応カードはQD-OLEDだ。ライバル企業のLGディスプレイが大型OLEDを拡大する中、サムスンは量子ドット技術を適用したOLED技術開発に注力している。QD-OLEDは素子が自ら多彩な色の光を出し、従来のOLEDの寿命などを改善した次世代技術。

この日も李副会長は折り畳み式ディスプレーなど最新OLED製品の生産ラインを視察した後、サムスンディスプレイの大型ディスプレーロードマップに深い関心を表した。問題は速度と投資だ。李副会長は昨年10月、「来年4月の開発品を見て投資方向を決めよう」と述べたという。サムスンの55インチ以上の大型QD-OLED開発はまだ進行中であり、すでに時期が過ぎているということだ。業界関係者は「李副会長が強く要求しただけにQD-OLED事業に弾みがつくはず」とし「来年初めに可視的な成果を出した後、投資計画を準備し、2年後くらいから量産に入るだろう」と予想した。