LG 広州 p3中国広東省広州市に建設された韓国LGディスプレー(LG Display)の有機ELパネル工場の開所式が、2019年8月29日に開催された。筆者(麻倉 怜士氏)は、現在の有機ELの基本となる素子構造を開発し「有機ELの発明者」と言われるChing W. Tang(鄧青雲)氏、米国のOLED Associationの会長であるBarry Young氏と共に「OLED EXPERT(有機ELの専門家)」として招待され、列席した。

式典には政府や業界の関係者、中国の報道関係者など390人が参加した。同工場は、大型テレビ用の有機ELパネルの供給をほぼ独占するLGディスプレーの初の海外工場であり、中国初の外資系有機EL工場でもある。



LGディスプレーが、広州市の開発区の傘下にある投資会社である広州凱得科技発展(Kaide)との間で合意署名したのが17年10月10日。出資比率は、LGディスプレーが70%、Kaideが30%という。同年12月26日に韓国政府が投資を承認し、18年7月10日には中国政府も承認した。同年7月11日に「LG Display High-Tech(China)」が正式に発足し、同年10月1日に生産設備の導入を開始した。当初は18年末の操業開始を予定していたが、技術流出を懸念する韓国政府内での調整に時間がかかり、今回ようやく量産開始に至った。投資額は460億人民元(約5000億円)である。

 同工場で使うマザーガラス基板は8.5世代 (2200mm×2500mm)。マザー工場である韓国パジュ(坡州)工場で使い慣れているサイズを選択している。パジュ工場では遅くとも2021年までに10.5世代の生産ラインが稼働予定であり、その後は広州工場にも10.5世代を導入する方針だ。



D05 地球の歩き方 広州 アモイ 桂林 珠江デルタと華南地方 2019〜2020 [ 地球の歩き方編集室 ]
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