米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」を製造している中国内陸部の河南省鄭州市の生産拠点で、中国の労働法違反があったことが9日、明らかになった。欧米メディアなどが報じた。米中貿易摩擦の激化で米国への反発が強まる中、労働法違反問題の発覚はiPhoneの中国での製造や販売などに悪影響が出る可能性もある。

中国の労働実態を監視する米国の非営利組織「チャイナ・レーバー・ウオッチ(CLW)」の調査によると、鄭州にあるiPhoneの生産拠点で総従業員に占める派遣労働者の比率が8月に5割に達し、中国の労働法で定める1割を大幅に上回った。夏休みだった学生の派遣労働者も多かったようだ。



iPhoneは台湾の電子機器の受託製造サービス(EMS)大手、鴻海(ホンハイ)精密工業が実際の組み立てなどを手掛けている。労働法違反の問題は直接的にはホンハイの責任となる見通しだが、アップルにもホンハイに法律順守を徹底させる責任があるとの見方は多い。

鄭州はiPhoneの主要生産拠点だ。ピークには従業員が40万人働いていたが、工場の省人化や中国販売の鈍化などから足元は20万人を下回っているとみられる。8月はiPhoneの新製品の生産時期と重なるため、派遣労働者の比率が高くなりやすい。

派遣労働者の活用は人件費を抑制しながら、販売状況に応じて機動的に生産台数を増減させることが目的とみられる。現地の従業員によると、派遣労働者の月給は残業手当を含めて約4千元(約6万円)程度にとどまっている。