Screenshot_2019-11-10 岩井俊二監督
アストロデザインはさる6月13日と14日の2日間。本社ビルにて8K映像技術を主軸とした自社製品の展示会「ASTRODESIGN Private Show2019」を開催した。ここではその会場で映画監督・映像作家の岩井俊二さんを迎えて行われたセミナー「8Kで人物を撮るということ」の模様をレポートする。
「8Kじゃなくて8mmですね(笑)。すごい目の粗いフィルムから学生時代スタートして、最初はフジカのSingle8っていうフィルムだったんですけど、他の自主映画の人たちがキレイな画で撮ってるのを見て、“何が違うんだろうな?”と思っていたら、みんなコダックのフィルムを使っていて、“あ、コダックってこんなにキレイなんだ”と思ったのが僕の映画の原体験でした」


「そうこうするうちにHDが出てきて、2000年に入って、ソニーからCineAlta(HDW-F900)というカメラを開発して、まだβ版だったんですけど、2台がアメリカに渡り『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス(1999年)』に使われて、3台目がヨーロッパの撮影監督の元に渡り、4台目をうちの撮影監督の篠田さんがゲットしてきたんです。それで実験を始めたんですけど、わりと感触がよくて『リリイ・シュシュのすべて(2001年)』という映画で導入しました。当初はフィルムで撮る予定もあったんですけど、生々しい映画だったので、フィルムよりもこういうカメラのほうがいいかもと思ったんです」
「5DMK2の少し前にREDも出てきて、これもかなり革命的なカメラでした。最初に世に情報が出た時に価格帯とスペックをみて“うそでしょ?”と思いました。『ヴァンパイア』の時も一部スローモーション撮影で使ってたんですけど、どうも暗部がきれいじゃない。調整に苦労しました。それでしばらくREDを敬遠してたんですが、とある撮影で使うことになり、上がってきた画がもう明らかに変。さすがにこんな風になるはずがないと。自分でDaVinciでカラコレしてみると、全然問題なくて。『REDってきれいじゃん!』と。

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