台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業グループによる中国での1兆円近い液晶パネル生産計画に逆風が強まっている。中国勢の増産で市況が悪化し、年内に予定する量産規模を縮小する可能性が出てきた。日本や台湾の設備会社が製造装置の搬入を止めるよう求められたことが分かった。米中貿易摩擦も足かせで、シャープも参画する目玉プロジェクトが揺れている。
問題が発生したのは中国広東省広州市で建設中の「第10.5世代」の大型ガラス基板を使う最先端のパネル工場だ。主にテレビ向けパネルを手掛け、シャープブランドのテレビ事業を伸ばす戦略の中核と位置づける。


日本や台湾の複数の装置メーカー関係者によると、8月中旬に鴻海側から電話などで設備納入を止めるよう通達があった。ある関係者は「契約履行を求めている。一方的にキャンセルされれば数十億円の損失が出る」といい、賠償請求など法的措置も検討するという。
露光装置を生産するニコンやスパッタリング装置大手アルバックなど日本企業多数が装置の供給を受注しており、影響が避けられない見通しだ。
7月にテスト生産を始め、年内の本格量産に向け、月産能力9万枚の設備導入を進めていた。現状では約半分の生産設備を導入した段階で作業が停止した。年内に計画の約半分の設備で操業を始める可能性がある。