「エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)」と名前はいかついが、マヨネーズのボトルやカレールーの容器などに使われる身近な高機能プラスチックである。一見、ただの汎用容器に思えるが、これには技術の粋が詰まっている。
今回、その加工技術開発センターへの“潜入”が許された。そこに広がっていた空間こそが、まさにクレイジーだった。訪問前は、ちょっとした研究ラボのようなものだろうと高をくくっていたのだが、行ってみると、幾つも機械が並んでいる。EVOHの製造ラインではない。EVOHを使って、実際に食品包装材などを試作してみる加工機械が並んでいるのだ。


顧客志向というと生ぬるく感じるかもしれない。しかし、日本メーカーが提供するカスタマイズのレベルは、時に世間が想像するであろう域を超えている。積水化学工業が世界トップシェアを誇る液晶ディスプレー向けの「シール剤」で説明しよう。
 シール剤とは、湿気に弱い液晶を外気から守るディスプレーの接着剤だ。ただ隙間をふさげばいいというものではないから難しい。液晶のみならず、ガラスやカラーフィルターなど、接触する全てのものと相性が良くなければならないからだ。
 だが、素材メーカーは、顧客から完成品の構成部材の仕様を明かされないのが一般的だ。つまり、顧客が使っているカラーフィルターなどがどんなものかはっきりしないまま、それに合うシール剤を推測して提供しなければならない。
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