ジャパンディスプレイの菊岡稔社長兼CEOは7日、500億円の出資受け入れを巡る協議について、10月中にまとめたいと述べた。その上で、臨時株主総会を経て11月中の完了を目指す意向を示した。ロイターのインタビューで語った。

JDIの出資受け入れを巡っては、中国のファンドが9月、枠組みから離脱する方針を示し、混迷が深まった。一方、香港ファンドのオアシス・マネジメントは引き続き出資に前向きであるほか、米アップル(AAPL.O)とみられる顧客が出資額を当初の1億ドルから2億ドルに引き上げた。別の投資家も50億円の出資を検討している。

菊岡社長は、これらに加え、他にも出資を検討しているファンドや事業会社があるなどと説明し、「(500億円に)近いところに来ている。今月中には固められそうだ」と述べた。500億─600億円の出資が完了すれば、官民ファンドのINCJ(旧産業革新機構)に対する第三者割当増資が実行でき、第3・四半期中の債務超過の解消に道筋がつくという。



足元の業績は「LCD(液晶ディスプレイ)が当初計画より強めで推移している」との認識を示した。スマートフォン向けで、LCD搭載モデルへの需要が高まっているためで、価格を含めたLCDの競争力は「足元で、しばらく見直されるだろう」との見方を示した。

一方、「OLED(有機EL)の生産には着手している」という。前工程での生産が始まっており、近々に後工程も始めるという。ロイターは4月、JDIが米アップルの腕時計型端末「アップルウオッチ」向けに有機ELパネルを供給すると報じていた。

今後のOLED戦略としては、新生産体制の構築に向けて白山工場を活用する案などが浮上しているが、菊岡社長は「一緒にやりたいと考える(ファンドや事業会社などの)パートナーとやることになる」と述べた。LCDを手掛ける際に過剰設備を抱えた反省を踏まえて、自社のバランスシートに設備を計上し負担することは想定していないとした。

スマホ向けなどモバイル分野は、価格変動などの影響を受けやすい。菊岡社長は、分社化を含め検討していると説明し「ダウンサイドの影響を最小化したい」と述べた。分社化した上で、外部から資本を入れて持分法適用会社にすることも選択肢の一つとした。

モバイル以外の柱となる車載分野は国内や欧州市場が中心だったが、「中国や米国の取り組みは、まだ上に持っていく余地がある」として、地域的な広がりを通じて成長可能だと指摘した。