鴻海00top_2鴻海精密工業は13日、傘下の通信キャリア、亜太電信(アジア・パシフィック・テレコム)が実施する100億台湾元(約360億円)の私募増資に応じることを董事会で承認した。来年、商用サービスが始まる第5世代移動通信(5G)サービスの入札・インフラ建設資金となる。鴻海の出資比率は19.7%から40.74%に上昇する。鴻海は5G、人工知能(AI)、半導体を軸に高付加価値製品に注力する構えで、利益率の低い電子機器受託生産モデルからの脱却を目指す。14日付経済日報などが報じた。

鴻海の劉揚偉董事長は、5Gの高速、低遅延通信などの特性は、幅広い製品に応用可能で、商機は3兆元、生活各方面で変化をもたらすと指摘。亜太電信を通じ、通信オペレーターが必要とする次世代ネットワーク設備を開発し、8K+5G、AI、スマート製造、スマート医療などで応用を目指すと説明した。4Gでは鴻海と亜太電信の協力成果は限られていたが、5G時代は多様なサービスの登場で、範囲や規模が拡大すると述べた。5G設備の敷設は来年1月に開始し、2年以内の投資計画完了を目指す。





 劉董事長はまた、同社が進めるデジタル時代の業態転換「フォックスコン2.0/3.0」では、AI、半導体、5Gに加え、第6世代移動通信(6G)技術がコア技術になると指摘した。6G衛星通信分野では既に準備を進めており、指導的地位を目指す。また、傘下の4~5カ所の研究機関で、5G/6G、精密加工、ナノメートル半導体、AIなどの研究開発(R&D)を進めていると明かした。

 劉董事長は、デジタル転換と未来産業向けの研究開発により、同社の粗利益率を今後3~5年で10%まで引き上げる考えを示した。電気自動車(EV)重要部品、デジタル医療、ロボットなどを未来産業ととらえ、2025年時点のシェア10%を目標とする。電子機器受託生産が粗利益率3~4%の低収益産業と言われる中、脱却を目指す。鴻海が同日発表した第3四半期の粗利益率は6.01%に上昇している。


 鴻海の第3四半期連結売上高は1兆3,900億元(前期比20%増、前年同期比1%増)、純利益は306億6,400万元(前期比80%増、前年同期比23%増)で同期として過去3年で最高だった。傘下の富士康工業互聯網(フォックスコン・インダストリアル・インターネット、FII)の利益が前年同期比9%増で、貢献率57%と最大だった。本業のOEM(相手先ブランドによる生産)への注力で富智康集団(FIHモバイル)が同期に黒字転換したことも貢献した。

 一方、中国での生産比率は75%以下に低下した。鴻海は、台湾、東南アジア、メキシコなど、世界的な生産分散を進めており、インドで110億元、ベトナムで63億元の投資を計画、米ウィスコンシン州のパネル工場への投資も計画通り進行中と説明した。

 劉董事長は、第4四半期業績は消費者製品・スマート製品や企業向け製品需要が伸び、前四半期を上回るとみている。

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