img2_file5ddcfc3a4b73aオルガノサーキット(千葉県柏市)は、2021年までに有機半導体を使った大型ディスプレーをサンプル出荷する。低価格で軽く、薄いほか、曲げられる特徴を生かし、デジタルサイネージ(電子看板)に特化して事業展開する。22―23年にも本格的に量産を始める。

事業化を目指す製品は、フレキシブルプリント基板(FPC)上に溶液塗布印刷法で作る有機薄膜トランジスタ(TFT)でアクティブマトリックス駆動する発光ダイオード(LED)ディスプレー。有機TFTは東京大学の竹谷純一教授が開発した。電子移動度は1ボルト秒当たり10平方センチメートルという。





従来の大型ディスプレー製品と比べ価格は数分の1、表示部の重量は20分の1以下、厚さは2ミリメートル以下になる。消費する電気量も削減できる。薄くて曲げられるため柱に巻き付けられる。また、縦1メートル×横2メートルのディスプレーの場合、風になびかせることもできる。

試作品は300ミリメートル角で厚さ2ミリメートル以下、重さ150グラム。同社は現在、縦2メートル×横5メートル×厚さ2ミリメートル以下の大型ディスプレーを開発中だ。軽量で薄いため大型の電子看板を設置する際、施工が容易になるとともにコストも低減できる。同社は災害時の活用も視野に入れている。