液晶の55型や有機ELテレビなど高付加価値のテレビの店頭価格が下落している。大型店の店頭では今夏に比べて10~15%程度値下がりしている。東京五輪・パラリンピックに向けた需要で販売が伸びていていて、少なくとも東京五輪までは高付加価値テレビの人気は続く。一方、特需を見込んだ価格競争の激化で、販売価格は下落傾向をたどりそうだ。

55型の液晶テレビの店頭価格は夏に比べて10%前後下落した。売れ筋のソニーの55型液晶テレビ「KJ-55X9500G」の店頭価格は7月末で21万~22万円だったが、現在18万~20万円前後に下落。同じく東芝の「55Z730X」は同19万~21万円程度だったのが、現在は16万~18万円程度に下落している。55型の有機ELも15%弱値下がりした。パナソニックの「TH-55GZ2000」は、40万~42万円程度から35万~36万円程度に下落した。





店頭では大型テレビの人気が一段と高まっている。東京・秋葉原のヨドバシカメラマルチメディアAkibaのテレビ売り場。都内から訪れた男性(73)は、「いま使っているのは49型だが、東京五輪前にもっと大きいテレビを買いたくて」。男性の視線の先にあったのは55~85型の超大型のテレビだ。

55型の液晶テレビの価格が下落しているのは、テレビ向け液晶パネルの大幅な値下がりが背景にある。55型は、中国メーカーの増産で供給過剰になり、この1年で3割以上価格が下落した。市況悪化で採算確保が難しくなり、中国や韓国のメーカーが生産調整をした結果、11月はようやく価格下落に歯止めがかかった。

オープンセル(バックライトなどがつかない半製品)の11月の大口取引価格は1枚約101ドル前後と前月に比べて横ばいだった。価格下落が止まるのは約1年ぶり。指標となる32型も32ドル前後と前月から横ばいだった。

今後の市況見通しについて、米調査会社DSCCの田村喜男アジア代表は、「12月の取引価格も横ばいの見込みで、すでに一部では値上げ交渉に入っているメーカーもある。来年1~3月期には値上がりの可能性もある」としている。

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