――主力の半導体や自動車向け装置の昨年の需要はどうでしたか。

「大変厳しい年だった。米中貿易摩擦の影響が色濃く出ていたのかな。電気自動車の設備投資は活発だ。中国メーカーの台頭がめざましい。潤沢な資金で欧米の優良企業を技術者ごと買収し、世界が注目する車をつくっている。米国との関係が悪化しても、中国企業は生き延びる力が強い。中国を年に数回訪れるが、自動運転でもドローン(小型無人機)でもスマートフォンを使ったサービスでも日本よりはるか先をいっている」

――次世代通信規格「5G」が商用化されます。

「多くの人が描く5Gはすぐには実現できないと感じている。データ通信量が増える一方、電波が届く距離が短く障害物の影響も受けやすい。アンテナを数十メートルおきに設置できればよいが……」





「半導体は有機ELの需要が戻ってきている。スマホやテレビのパネルを生産する当社の真空蒸着装置の引き合いが強い。特に中国と韓国だ。スマホが更新されるたびに需要のある装置で、世界の有機ELパネルをつくる工場の90%以上は当社の製品が導入されているのではないか」

――今後の展望は。

「これから何年かは厳しい時期が続くと感じている。株価は高止まりしているが、日本の主要メーカーで最高益をたたき出しているところはあまり見当たらない。日銀の政策次第で変調する可能性もある。とても不気味な感じだ」

――熊本市の本社で新工場を建設中です。

「6月に完成予定で、今までばらばらにあった半導体関連の工場を集約した。1階で部品を作り2階で組み立てる。製造工程も集約し、IoTで24時間稼働にするので、効率は大きく向上すると期待している」

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「真空蒸着技術」技術開発実態分析調査報告書
「真空蒸着技術」技術開発実態分析調査報告書