https___imgix-proxy.n8s.jp_DSXMZO5476669023012020FFE001-PN1-2
政界進出を狙い、昨年経営トップを退いた台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の創業者、郭台銘(テリー・ゴウ)氏が再び経営の一線に舞い戻る。「二度と経営に戻らない」。そこまで言い切った同氏だが、選挙も不発で、鴻海の業績も振るわないなか本格復帰を決めた。スマートフォンなどの大量の受託生産頼みで歩んできた鴻海。だが、そのビジネスモデルは既に限界に近づき、カリスマの復活で鴻海が立ち直るかは不透明だ。
「私は、鴻海の先頭に立って、導く虎(トラ)になる」 春節(旧正月)休暇を間近に控えた22日。鴻海は、本社がある台北市内に従業員・家族ら3万人超を集め、「全社忘年会」を開いた。そこに、同社幹部として久々に現れ登壇した郭氏は、こう力を込めてみせた。






従来のビジネスの延長線上で経営を率いることはしない。実務は、昨年後継に指名した劉揚偉董事長に任せる。郭氏は今後、世界的なファンドを立ち上げ、出資を通じ、鴻海のグループ全体の成長に役立つ役割を果たす存在になるのだという。具体的には今後「米国や日本、ドイツやイスラエルのハイテク企業に投資する独自ファンドの立ち上げを準備中だ」と表明した。
この構想で、すぐに想像が付くのが、郭氏の盟友であるソフトバンクグループの孫正義会長兼社長の存在だ。孫氏も中核だった携帯通信事業から、経営の軸足をファンド運営に大きくかじを切った。その「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」には鴻海も出資しており、まさに郭氏も今後、SVFをモデルにするという。
Read full article