台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が中国北部の鄭州市にある主要工場をについて、中国政府から操業再開許可を受け取ったことが分かった。事情を直接知る立場にある関係筋が10日、ロイターに明らかにした。

鄭州市の工場には、同社の全従業員の10%未満に相当する約1万6000人の従業員が戻ってきた。

ただ関係筋によると、中国南部の深セン市の主要工場の再開許可は得られなかった。地元の当局者が今週中に再び同工場を視察し、適切なウイルス対策がとられているかどうかチェックする。工場の従業員らは11日も職場に戻らないよう指示されたという。

鴻海からは今のところコメントを得られていない。

事情に詳しい関係者は3日、ロイターに対し、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた中国工場の操業停止措置が2週目に突入した場合、鴻海の生産に「重大な」影響が及び、米アップルなど顧客への製品出荷が中断される可能性があるとの見方を示していた。





延長された春節(旧正月)の休暇が終わり、数万人の鴻海の従業員が職場に戻り、操業再開を待っているという。ロイターが入手した内部メモによると、従業員らはマスクの着用や検温、特別な食事システムに従うことを指示されている。

鴻海は南部の広東省に従業員向けのマスクを製造する独自の生産ラインを新設した。2月下旬までにフル稼働させて1日200万枚を目標に生産するという。

鴻海が新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中国本土の工場の操業を停止している問題で、深セン市政府は9日、当局が操業再開を阻止しているとの報道は事実ではないとの声明を出した。

8日の日本経済新聞は、地元政府の衛生担当者が同社の工場を検査後、「感染拡大のリスクが高い」と指摘して操業延期を求めたと報じた。

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