電子機器の受託製造サービス(EMS)世界2位、台湾の和碩聯合科技(ペガトロン)の廖賜政・最高経営責任者(CEO)は26日、新型コロナウイルスによる中国生産の停滞について「順調に回復し、フル稼働にある」と明らかにした。一方で「問題は新型コロナによる消費への影響だ」とも強調した。

26日午後に開いた19年12月期決算発表の電話会議で明らかにした。同社は米アップルのスマートフォンなどの電子機器を中国工場で受託生産する事業を手掛ける。比較的新型コロナによる稼働停止の影響が少なかった上海などが拠点で、ライバルの鴻海(ホンハイ)精密工業などに比べ回復が早いとみられていた。





廖氏は新型コロナによる工場稼働率の停滞で1~3月期の収益は「非常に悪い」としたが、足元では回復したと強調した。「サプライチェーン(供給網)の混乱の影響は4~6月期にはなくなる」とした。1~6月期では売上高は前年同期を上回るという。

一方で廖氏は「供給網への影響はコントロールできているが、消費への影響を懸念している」とも述べた。重要市場の米欧で感染が拡大している。景気減速で消費が減退する懸念が膨らんでおり、顧客からの注文に影響が出るリスクが高まっている。

アップルは販売環境の悪化を背景に、今年秋にも発売する次期iPhoneの販売を数カ月延期することを検討している。ペガトロンは例年、夏ごろに新型iPhoneの生産・出荷が本格化するが、時期がずれ込めば20年12月期業績に影響は避けられない。廖氏は電話会議で特定顧客の状況については明らかにしなかった。

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