ジャパンディスプレイ(JDI)は米アップルに、白山工場(石川県白山市)の製造設備の一部を売却する。売却額は2億ドル(約220億円)。経営危機に瀕(ひん)した主要取引先のJDIに対する、米アップルの金融支援の一環になる。一方、JDIは白山工場全体の売却をめぐってシャープと交渉しているが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、合意時期が当初目標の3月末から4月以降にずれ込む。

JDIとアップルは31日にも、現在操業を休止している白山工場の一部設備の売買で最終合意する見通し。JDIは設備売却で得た資金を、白山工場建設のためにアップルから借りていた「前受け金」の返済に充てる方針だ。





もともと白山工場はアップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」用液晶パネルを製造し、実質“アップル専用工場”の位置付けだった。アップルとしても白山工場は基幹部品の重要生産拠点と認識しており、異例の直接支援を決めたもよう。

アップルは2019年春ごろからJDIへの支援意向を示すが、他社からの資金調達の完了をその条件にしてきた。今回、JDIは26日に独立系ファンドのいちごアセットグループから504億円の振り込みを受けた。

アップルの支援条件を無事にクリアしたことで、予定通りJDIへの金融支援を実行する。一方で、アップルと並んでJDI支援の意向だった台湾電子機器製造受託サービス(EMS)大手の緯創資通(ウィストロン)の支援実行は4月以降になりそうだ。

JDIは別途、白山工場全体の売却に向けてシャープと交渉中。アップルも両社の仲介役として参加する。ただ、新型コロナの感染拡大により日米ともに企業活動に大きな支障が出ており、事務手続きなどが当初想定から長引いている。4月以降の早期決着を目指すものの、新型コロナの収束時期や景気減速など懸念材料は残る。