dmln5300000j5dnj韓国科学技術大学KAISTの研究チームが、大きな2次元変形を負荷しても発光性能を維持する、伸縮可能な有機発光デバイスOLEDを開発した。数百μmのアイランドおよび数十μmサイズのマイクロピラー構造を有したシリコーンエラストマーPDMS(ジメチルポリシロキサン)基板の上に、アイランド状のOLED薄膜を積層するとともに、各OLED間を蛇腹状のブリッジで結線することにより、デバイス全体の2次元的な変形による応力と歪みを吸収するというもので、研究成果は、2020年1月28日の米国化学会『Nano Letters』誌に公開されている。

ウェアラブルエレクトロニクスやロボット、マンマシンインタフェースの発展に伴って、自由に変形や伸縮できるディスプレイや発光デバイスに対するニーズが高まっている。これまでにも伸縮可能なOLEDの研究が進められてきたが、必ずしも充分な変形吸収能力のあるデバイス構造が得られてはいなかった。





今回Kyung Cheol Choi教授が指導するKAISTの研究チームは、マイクロガスクロマトグラフィーのカラムや、マイクロ流体固定化酵素リアクターなどで活用されている、マイクロピラーアレイに注目した。伸縮性のあるシリコーンエラストマーPDMS表面に、数百μmのアイランドを多数配置し、その上に数十μmのマイクロピラーアレイ構造を形成して基板とした。この基板上に、Alq3などから構成されるOLED薄膜を積層するとともに、各OLED間を蛇腹状のブリッジで結線した。

このデバイスに2次元変形を負荷したところ、ブリッジの蛇腹が伸縮してデバイス全体の歪みを吸収、加えてマイクロピラーアレイが柔軟にしなることで基板に発生する応力を吸収し、個々のOLEDに応力や歪みが掛らないことを確認した。更に、シミュレーション計算により、シリコーンエラストマーPDMSの平面基板またはアイランド構造だけの場合に比較して、この複合的弾性ピラーアレイを用いた場合、ブリッジと基板の両方における発生する応力とひずみの大きさが小さいことも定量的に立証された。

研究チームは、このような基板を用いて、伸縮可能なRGB色のOLED薄膜を作成し、この応力緩和基板を用いた実際のプロセスにおいて、材料選択の自由度が大きいことも実証した。開発された伸縮可能なデバイスは機械的に安定であり、1次元だけでなく2次元的な伸縮性も有しているので、ウェアラブルエレクトロニクスやヘルスモニターシステムなどの応用に適用できる。Choi教授は、「この基板デザインは、半導体や回路技術を含むエレクトロニクス開発に柔軟性を与え、伸縮可能なディスプレイ市場への参入障壁を下げるものだ」と、期待を表している。

※記事の出典元はツイッターで確認できます⇒コチラ