台湾の受託製造大手、鴻海精密工業が中国本土に持つ主要工場の稼働が全て新型コロナウイルスの感染が拡大する前の通常の水準に戻ったことがわかった。

鴻海精密工業は、「iPhone(アイフォーン)」や「iPad(アイパッド)」といった米アップル製品の部品の主要な供給業者。中国が今年1月に新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するため国内の大部分にロックダウン(都市封鎖)を導入したことで、鴻海精密工業の中国の工場は閉鎖を余儀なくされていた。

工場の閉鎖は鴻海精密工業の事業に打撃を与えた。証券会社KGIアジアによれば、鴻海精密工業の製造能力の約75%は中国本土にある。





収益にも工場閉鎖の影響が出た。鴻海精密工業が発表した2020年1~3月期決算では営業利益は45億台湾ドルと前年同期比で72%減少した。

鴻海精密工業社によれば、世界各地の外出制限や上昇する失業率の影響によって需要に大きな打撃が出ており、4~6月期もスマートフォンや消費者向け製品の部門は厳しい状況に直面している。20年後半についても依然として先が見通せないとしている。

新型コロナウイルスの感染拡大が世界的な部品供給網に影響を及ぼしている。専門家からは鴻海精密工業社のトラブルが大手ブランドの電子機器類の一部に打撃となる可能性が高いと警告していた。

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