韓国最大の財閥サムスンの経営権継承を巡る不正疑惑で、トップの李在鎔(イ・ジェヨン)氏の弁護団の要請で招集された検察審議委員会は26日夜、捜査を中断し、不起訴にするよう勧告した。検察がサムスンを圧迫すれば韓国経済全体の悪化を招くとの懸念を、法律的判断よりも優先させたとの見方もある。
 不正疑惑は、李氏が2015年、グループ経営を父親から継承する過程での粉飾決算や株価操作で、検察が資本市場法違反容疑で捜査している。
 審議委は、文在寅(ムン・ジェイン)政権の検察改革で17年に新設され、検察外部の法曹や学界、報道関係者ら15人で構成。検察は過去に別件の勧告をすべて受け入れてきたが、勧告に拘束力はなく、今後、起訴を強行する可能性もある。






 サムスンは新型コロナウイルスや米中対立の影響で、世界シェア1位のスマートフォンなどの業績悪化が懸念される。ソウル経済新聞は27日の記事で「無理な捜査はサムスンを極度に疲労させる。“世論裁判”を無視すれば、経済をだめにしたとの批判を免れない」と検察をけん制した。
 疑惑を巡っては、李氏が否認する中、検察は1年半かけて社員100人以上を事情聴取し、計20万ページの証拠資料を準備。今月上旬に地裁に逮捕状を請求したが、地裁は李氏の法的責任を認めつつ、「拘束の必要性はない」として棄却した。
 世論調査会社リアルメーターによると、地裁の棄却決定について、45%が「法律的な判断」とみる一方、44%が「サムスンを意識した」と回答している。
 李氏は17年にも朴槿恵前大統領に賄賂を渡したとして逮捕され、18年に2審で執行猶予付き判決を受けて釈放されたが、公判は現在も続いている。

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