シャープが、液晶パネル事業の分社化を完了し、100%出資の子会社「シャープディスプレイテクノロジー」(三重県亀山市)が今月から業務を始めた。ディスプレー分野に関心のある他社や投資家から資金を呼び込み、連携を深める狙い。市場で存在感を増す有機ELでは韓国勢に水をあけられており、次世代技術の開発を加速し巻き返したい考えだ。

シャープの現在の稼ぎ頭は液晶パネルだ。8月にはジャパンディスプレイ(JDI)が米IT大手アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」向けに液晶パネルを生産していた白山工場(石川県白山市)の買い取りを決めた。スマートフォン市場では、高価格帯以外は当面割安な液晶の採用が続くと判断したようだ。

一方、米調査会社DSCCはアイフォーンのディスプレーに占める液晶の割合は減っていくと予測する。





 液晶より薄型化が可能な有機EL。市場を制覇したのは韓国のサムスン電子とLGディスプレーだ。英調査会社オムディアによると2社で2019年の世界出荷額の約9割を占めた。シャープは主に自社ブランドのスマホ向けに有機ELを生産しているが規模は小さい。

 有機ELの次世代としてマイクロLED(発光ダイオード)や量子ドットを使った技術などが有力視され、シャープを含む各メーカーが開発を競う。多額の投資が必要となるが「どの技術が本命になるのかまだ見えていない」(大手証券アナリスト)。

 新型コロナウイルスの感染拡大で世界経済が打撃を受ける中で、分社化を資金調達につなげるシャープのもくろみが実現するかどうかは見通せない。

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