韓国のディスプレー業界が次世代テレビのネーミングを巡ってざわついている。LG電子が29日、ミニLEDテレビを公開し、技術名を「QNED(クオンタム・ナノセルLED)」と命名すると、同名のディスプレー技術でテレビを開発しているサムスン電子が「名前を奪われた」と反発しているからだ。両社は昨年、QLEDの虚偽広告論争とテレビの画質問題で神経戦を展開した経緯がある。

 サムスン電子とLG電子は世界のテレビ市場で1、2位のメーカーだ。サムスン電子はこれまで液晶パネルを採用したQLEDテレビ、LG電子は有機発光ダイオード(OLED)テレビで競争してきた。サムスンは最近、液晶テレビに続く次世代商品としてLEDに微細なクオンタム物質を採用し、画質を大きく向上させたディスプレーを開発している。サムスンディスプレーはこれまでその技術をQNEDと呼んできた。





 ところが、LG電子が先に次世代テレビにQNEDという技術名を付け、サムスン電子は戸惑っている。LG電子は最近、韓国、米国、欧州、オーストラリアの4地域でサムスンよりも先にQNEDの商標登録を出願した。サムスン電子は「サムスンディスプレーが主導して開発してきた技術なのに、LG電子が(QNEDではない)別の製品にその名を付けた。技術名を盗まれた」と主張した。LG電子のミニLEDテレビは液晶テレビに使われるナノセル素材にクオンタムフィルムを塗った形態なので、QNED技術には該当しないとの趣旨だ。  

一方、LG電子は「サムスンディスプレーが開発しているというQNEDはまだ実体がないに等しい。我々の製品をうまく表現できるQNEDという名称を使わない理由はない」と反論した。

 業界は次世代テレビの主導権を握ろうとする両社の対立が再び表面化したとみている。LG電子は昨年9月、サムスン電子がQLEDテレビの虚偽広告を行ったとして、公正取引委員会に告発した。サムスンの製品はLED光源を使った液晶テレビにクオンタムドットをフィルムを重ねて画質を改善した製品だが、自ら発光して画面を明るくするように消費者に誤解を与えているとの主張だ。サムスンもLG電子が客観的根拠なく自社製品を中傷したとして、告発で対抗している状態だ。

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