日本海に程近い平野にそびえ立つ、長さ300m、高さ55mの巨大な建造物。それが今、1年半ぶりに鼓動を取り戻そうとしている。  

ここは日本三名山の一つ「白山」で知られる石川県白山市。液晶パネル大手、ジャパンディスプレイ(JDI)の主力生産拠点だった白山工場だ。2019年7月から稼働を停止していたこの工場に、久しぶりに活気が戻ってきた。

 通うのはシャープの社員だ。スマホ向け液晶のライバルだったシャープが、20年10月にこの工場を買収したのだ。





外壁に取り付けられていた「JDI」のロゴもついに外された。建物の内部をうかがうことはできないが、シャープ社員が稼働再開に向けた準備を急ピッチで進めているという。  

「こんな巡り合わせがあるとは……」。
液晶事業に携わるシャープ社員は驚きを隠さない。それもそのはず。かつて経営危機に陥ったシャープのスポンサーに名乗りを上げたのが、今の親会社である台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業と、JDIの主要株主であるINCJ(旧産業革新機構)だったからだ。両者は再び出合い、構想止まりだった「液晶事業の統合」が部分的に実現することになった。

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