oled price trend 21000000-1テレビ向けの大型有機ELパネル価格が一段と下落した。2021年1~3月期の大口需要家向け価格は、20年10~12月期に比べ2~3%安い。値下がりは4四半期連続。有機ELパネル大手の韓国LGディスプレー(LGD)が有機ELテレビの普及をにらみ、パネルの量産を進める影響が出ている。

指標となる65型品は1枚795ドル前後。前四半期に比べて約25ドル(3%)下がった。流通量の多い55型品も、同10ドル(2%)ほど安い1枚495ドル前後まで下落した。

有機ELテレビは深みのある黒の色合いを表現でき、明暗が際立った映像を楽しめる。自ら発光する有機化合物を使うため、液晶テレビと異なりバックライトが不要で本体が薄いのが特徴だ。大型向けは韓国のLGDが手掛けている。





LGDは昨夏、中国・広州市で「第8.5世代」と呼ばれる大型の有機ELパネルの量産を始めた。テレビ向けの生産能力は韓国工場と合わせると2倍近くに増加。需要を上回る供給が続き、相場は軟調だ。

外出自粛による巣ごもり需要で、有機ELテレビの販売は好調だ。調査会社BCN(東京・千代田)によると、2月の有機ELテレビの国内販売台数は前年同月比52%増だった。20年の税別平均価格は24万円と、国内の主要メーカーが本格的に参入した17年に比べて3割ほど安くなり、値ごろ感が強まっている。

有機ELパネルと競合する液晶パネルの価格は上昇している。「有機ELパネルも収益性の向上へメーカーが価格を引き上げようとしている」(ディスプレー調査会社、米DSCCの田村喜男アジア代表)との声も出ている。

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