中国のパネル大手の京東方科技集団(BOE)は4月12日夜、2020年の通期決算を発表した。売上高は前年比16.8%増の1355億5300万元(約2兆2637億円)とアナリストの事前予想をやや下回ったものの、純利益は予想を大きく上回り前年比2.62倍の50億3600万元(約841億円)と大幅増益を記録した。

さらに直近の2021年1~3月期の同社の業績予想によると、純利益は50億元(約835億円)から52億元(約868億円)に達し、前年同期比で8.82倍から9.18倍となる見込みだという。

BOEは1993年の設立で、調査会社のオムディアによると、2020年の液晶パネルのトータル出荷台数は世界第1位、フレキシブル有機ELパネルも世界2位に上り詰めた。





BOEをはじめとした業界各社のパネル出荷量は堅調だ。ディスプレー業界市場調査会社のシグマインテルによると、2020年の全世界のパネル生産高は前年比13%増の1146億ドル(約12兆5418億円)で、出荷量は5%増だった。

この背景にはパネルの価格上昇がある。2020年は7~12月の半年間で値上げの波が押し寄せ、一部品目では過去10年間で最も長い高値の期間を記録した。

BOEのパネルの2020年の通期の販売量は前年比18%増で、そのうちフレキシブル有機ELパネルの出荷は2倍となった。BOEによれば、四川省成都市にある同社のアクティブマトリクス式有機EL(AMOLED)の生産ラインが効率化したことと、同省綿陽市のAMOLED生産ラインも量産を開始したことが、今回の出荷増につながったという。

2021年の年初には、BOEのフレキシブル有機ELパネルがアップルの認証を通り、同社はアップルにおいてサムスン電子、LGに次ぐ3社目のフレキシブル有機ELパネル・サプライヤーとなった。このニュースは業界関係者の間でも大きな話題になった。

財新記者がBOEをよく知る業界関係者に取材したところ、同社がアップルのiPhone12用パネルの納入をすでに開始していることが判明。iPhone13用のパネルもすでにサンプル提供を終え、評価待ちの状況にあるという。

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