「レストラン・ホール募集。経験不問。すぐに働ける方」。米国の人気求人・求職サイト、ジップ・リクルーター(Zip Recruiter)に掲載された求人募集だ。ニューヨーク州の最低賃金12.50ドル(約1360円)よりも10ドル(約1100円)高い時給23ドル(約2500円)を提示している。ニューヨーク・マンハッタン近くのレストランのホールスタッフを探しているという求人募集はこのサイトだけで3日、7000件を超えた。
 米国など主要国の新型コロナワクチン接種が急速に進むにつれ、「インフレーション(物価上昇)が予想よりも早くやって来るかもしれない」と予想する声が上がっている。早まった経済再稼働に起因する人件費上昇、半導体および原材料不足による工業製品価格上昇、各国政府が注入した巨額の景気浮揚資金などが相まって、市場では既に物価上昇が始まったとの見方も少なくない。






需要が新型コロナ前の水準に急速に回復しつつある一方、供給はまだスムーズにできておらず、原材料や物流コストが上がり続けているのも、物価上昇の遠因となっている。半導体の供給が需要に追い付かない「ボトルネック」(物事全体が円滑に進まなくなる問題点)は簡単には解決できない状況にある。原材料価格は原油価格を中心に高騰し、価格上昇をあおっている。
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