日刊工業新聞社が9日まとめた工作機械主要7社の5月の受注実績は、前年同月比2・2倍の355億4200万円で6カ月連続の増加となった。国内外での受注回復に加え、前年同月が新型コロナウイルス感染症の影響で低かった反動もあり、大幅な伸び率となった。特に海外需要の回復が鮮明で、中国以外の地域でも設備投資の動きが広がり始めている。

全社が合計、国内、輸出の各項目で増加した。特に輸出の増加が顕著で、牧野フライス製作所やツガミなど5社が2倍以上の伸びとなった。牧野フライスは合計が2019年3月以来の80億円超えとなり、輸出は過去最高を更新。中国で自動車向けに大口受注があったほか米国でも自動車や半導体製造装置関連向けに受注が増えた。





オークマは19年9月以来20カ月ぶりに合計が100億円を上回った。輸出では中国、欧州向けが前年同月比2倍以上の増加。欧州は自動車や農業機械向けに受注が増え「かなり盛り上がってきている」(オークママーケティング室)という。

ツガミは中国で労働節(メーデー)連休の影響があったものの、スマートフォンや自動車など幅広い業種で好調が継続している。

三菱重工工作機械(滋賀県栗東市)はインドや韓国、インドネシアでも歯車工作機械を受注するなど「中国以外の地域でもようやく動きが出始めた」(事業戦略推進室)。

一方で国内も堅調に推移しているものの、補助金採択待ちで発注を控える動きもあり、輸出に比べ伸び率は低い。今後について「厳しい状況が続く」(ジェイテクト担当者)という声も聞かれる。

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