6月17日、安徽省合肥市で2021年世界ディスプレー産業大会が行われた。工業情報化部(省)の王志軍副部長は、「2020年には、中国の新型ディスプレー産業の直接の営業収入が4,460億元(約7兆6,150億円)に到達して、世界シェアは40.3%に達し、産業規模は世界一になった。
中国は製造業の先端化への発展を加速するなかで、世界最新世代の液晶パネル製造ラインの多くがフル稼働し、作ったそばから製品が売れていき、曲がるフレキシブルなAMOLED(アモレッド、有機ELディスプレーの一種)の製造ラインが大量に製品を出荷し、8K超高精細、ナローフレーム、フルスクリーン、透明スクリーンなど多くのイノベーション(革新)に満ちた新製品を世界で初めて発表している」と述べた。

 現在、中国大陸部には第6世代以降のパネル生産ラインが35本あり、投資額は1兆2,400億元(約21兆138億円)、生産能力は2億2,200万m2に達した。





 20年近い発展期を経て、中国のディスプレー産業は他国に追いつき追い越そうとしていたのが、先頭を走るようになり、逆転をはたした。しかし将来に目を向けてみると、中国のディスプレー産業の目の前に横たわる試練はより大きくなっている。

新製品が続々登場
 中国の新型ディスプレー産業の規模は世界1位だ。中国は8K超高精細、ナローフレーム、フルスクリーン、折りたたみ式ディスプレー、透明ディスプレーなど、複数のイノベーション製品を世界で初めて発表した。現地化された関連技術の水準が目に見えて向上したと同時に、世界の産業チェーンの企業との協力・Win-Win関係も築きつつある。

 こうしたなか、18日に安徽省合肥市で閉幕した2021年世界ディスプレー産業大会で、中国ディスプレー産業の発展の鼓動が改めて世界中の目を釘付けにした。この大会で、多くの新製品や新たな応用が集中的に発表された。

 たとえば5mのワイドLEDディスプレーは、前に立つと没入式のバーチャル体験ができる。裸眼3D大型ディスプレーは、画面のなかの宇宙船がまるで今にも飛び出してきそうだ。8.03インチのフレキシブルアモールドディスプレーは、携帯電話のディスプレーの表示サイズを6~8インチの間で自由に切り替えられる。マイクロLEDディスプレーシステムの応用は、XR(仮想世界と現実世界を融合させる技術)眼鏡をますます身近なものにしている。

中国のディスプレー産業が世界の先頭グループに躍進
 過去20年間、中国の電子情報産業には2つの悩みがあった。それは「自国製チップ不足」と「自国製ディスプレー不足」。チップ産業とディスプレー産業が苦境に直面していたことを指している。中国科学院の欧陽鍾燦院士をはじめとする専門家たちも、ディスプレー産業がかつて直面した困難を直接経験してきた。欧陽氏はかつてを思い出して、「中国初の大型ディスプレー製造ラインが完成するまで、海外企業は中国市場でディスプレー価格をつり上げていた。それでも大勢の消費者が争うように海外製品を購入していた。当時は32インチのディスプレーが1,000ドルから2,000ドル以上ということもあった」と述べた。

 工業・情報化部がまとめたデータでは、第13次五カ年計画(16~20年)期間に、中国のディスプレー生産ラインの建設に計8,000億元(約13兆5,578億円)が投入され、20年末の時点で、生産能力は15年末に比べて140%増加した。

 20年の大陸部ディスプレー産業の年間複合成長率は22%に達し、TFT液晶とLCD(液晶ディスプレー)を中心としたディスプレーの出荷面積は1億3,200万m2に到達した。

 新型コロナウイルス感染症の流行中にも、ディスプレー産業は流れに逆らって上昇し発展する勢いを見せた。同部電子情報司(局)の喬躍山司長は、「感染症がオンライン会議や遠隔教育、自宅でのエンターテインメントの世界的なニーズを全面的に押し上げた。世界のディスプレー出荷面積がさらに増加し、フレキシブルディスプレーや折りたためるディスプレーなどの製品の市場への投入が加速した」と述べた。

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