LGD 082021000000-1パネル大手のLGディスプレー(LGD)は17日、坡州(パジュ)市の主力工場で有機ELパネルを増産すると発表した。投資額は3兆3000億ウォン(約3100億円)で2024年に量産する。米アップルのタブレット端末「iPad」向けの生産ラインになるとみられる。

LGDは納入先を明らかにしていない。複数のサプライヤーによると、アップルが24年ごろにiPadに有機ELパネルを初めて採用するのに合わせ、LGDが増産投資を決めたという。

新設ラインには、既存のスマートフォン向け有機ELパネルと同じ「G6」と呼ぶガラス基板サイズの生産設備を導入する。生産能力は基板シートで月産1万5000枚規模となる見通し。





LGDは現行モデルのiPad向け液晶パネルのメインサプライヤーで、かねてスマホやパソコンなどアップル製品向けに供給してきた。サムスン電子の牙城だった有機ELパネルでも、初期のウエアラブル機器「アップルウオッチ」に採用され、19年にはiPhoneにも供給を始めて量産技術を蓄積してきた。

アップルにとって、サムスンはスマホで競合する。一時は年間5000億円を超える規模の有機ELパネルをサムスンから調達しており、LGDへの発注拡大には「サムスン依存度」を下げる狙いもある。アップルは中国京東方科技集団(BOE)からもiPhone向け有機ELパネルを調達する意向を示しており、分散調達によってコスト削減を進める。

ディスプレー業界では中国勢の増産投資によって日本や韓国、台湾勢がシェアを奪われた。LGDは有機ELパネルの量産とともにアップルなど高精細品を求める顧客との関係を深めることで生き残りを目指す。

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