6mM-o24Z半導体、液晶、太陽光パネル――。日本が技術で先行して「お家芸」といわれながら、いざ本格普及期に入ると増産投資で後れを取る負けパターンが繰り返されている。足元では電気自動車(EV)など車載用リチウムイオン電池が危うくなってきた。2016年まで世界シェア首位だったパナソニックは中国の寧徳時代新能源科技(CATL)、韓国LG化学に抜かれ、3位に後退している。

半導体では市況の最悪期に果敢に増産投資をした韓国サムスン電子が日本勢を突き放した。工業製品は、設備稼働率を上げて部材の調達コストを下げる大量生産と、それによる低価格の実現がシェアを左右する。日本勢の敗因のひとつはリスクを取りたがらない経営風土にありそうだが、それだけではない。





再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)は太陽光パネルの需給バランスを崩し、バブルを引き起こした。ある電機大手幹部は「政策に振り回されるビジネスは難しい」と振り返る。リーマン・ショック後の家電エコポイント制度では液晶テレビの需要が急増したが、終了後の反動減も大きく各社の採算が悪化した。

世界的な脱炭素のうねりが大きくなる中で、国内産業の空洞化を避けるには再生エネ機器やEV向け電池といった成長分野を伸ばす必要がある。研究開発から実用化、普及へと至るロードマップを見据えて官民の歯車を合わせなければ「いつか来た道」から抜け出せない。

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