いまテレビ市場では有機ELが大人気だが、その勢いに押されていた液晶が、ここにきて俄然、張り切り出した。21世紀の初頭、私はディスプレイ評論家として液晶が登場した時、「液晶には3つの欠点がある。コントラスト不足、視野角が狭い、動画が鈍い、という点だ。それはまさに“液晶三悪”と言える」と喝破し、以来「液晶三悪」は業界の流行語となった。

なぜ有機ELテレビが人気なのかというと、最新デバイスとして、これら液晶のもつ欠点がないからだ。しかし、液晶側も黙っていない。一方的な有機ELテレビの攻勢に、「ミニLEDバックライト」を擁して決起した。それが、LGの液晶4Kの新製品「QNED90」だ。





今後、ミニLEDバックライトは間違いなく、液晶業界の大トレンドになる。なぜならば、三悪の一角、コントラスト問題に対する鮮烈な回答だからだ。「黒浮き」は液晶の致命的欠陥である。強烈なバックライトの光は、液晶層で黒再現のために光をシャットアウトするも、それを透過し、黒を浮かせてしまう。

全面で発光させるのではなく、多数のLEDを敷き詰め、ある単位にブロック分割し、映像で黒になる部分を発光させないようにする。そうすると、黒は締まるはず。ミニLEDバックライトはサイズが小さいため多くの数を敷き詰められ、ブロック数も増やせる──。画質では有機ELに全敗していた液晶が、ミニLEDバックライトというパワフルな武器を得たのが、本製品なのだ。いかに画期的な製品であるかが、おわかりになっただろう。

LGは、三悪の残りのふたつにも効果的な施策を打っている。画質の向上以外でも、充実したネット接続や、アプリ起動時間を短縮化するなど、製品力を高めている。

テレビ購入時に、有機ELか液晶かという、楽しく新しい選択を可能にしたQNED90シリーズに注目だ。

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