三菱マテリアルは、無機黒色顔料で紫外線(UV)透過率を従来開発品から5割超高めた「ナイトブラックUB―2」を開発したと発表した。可視光域の吸収性能は保ちつつ、樹脂を硬化させるためのUV照射時間を従来の25%以内に短縮。より厚い樹脂膜の硬化も可能だ。高性能化が進む液晶ディスプレーや光学式センサー、接着剤などへの利用を見込んで製品化する。

液晶ディスプレーなどには、外部あるいは機器内からの余分な光を遮るため黒色の周辺材が使われる。製造では、黒色顔料を混ぜ、光に反応させて硬化する。ただ硬化に必要なUV域の光さえ吸収してしまう課題があり、開発品はそれを解決する。





三菱マテリアルは2017年、独自の窒化還元技術で高いUV透過性を持つ無機黒色顔料の開発品「ナイトブラックUB―1」を開発した。顧客からはさらなる性能向上ニーズがあり、さまざまな条件や処方を最適化させて今回、同UB―2の開発にこぎつけた。サンプル品の提供を検討していく。

ディスプレー周りなどの素材は耐熱性が低いため、製造には熱硬化技術ではなく、低温処理ができる光硬化技術が活用されている。

紫外線透過率5割向上、新「無機黒色顔料」が液晶ディスプレーの課題を解決する

※記事の出典元はツイッターで確認できます⇒
コチラ