「次の中国」と言われ続けている巨大市場は、スマホメーカーにとっても、主要戦場といえます。「メイド・イン・インド」を謳い文句に「国産スマホ」として小米が人気を集める一方、サムスンもインド国内に生産拠点を作り対抗、激しく火花を散らしてきましたが、このほど、「ダークホース」の出現により、なんとサムスンがシェア第3位に甘んじることに。  

10月のインドスマートフォン市場は小米が市場シェア20%で第1位、realmeが18%で続いて第2位に。これまで第2位をキープし続けていたサムスンは第3位となりました。  小米の首位キープは驚くに足りませんが、サムスンの2位陥落とrealmeの急伸は注目に値します。





realmeインドCEOは、「realmeの歩みはこれで終わりではない。来年の目標は小米を撃破し、インド首位のスマホブランドになる」と、鼻息を荒くしているとのこと。

Realme躍進の秘訣はどこにあるのでしょうか。「低価格高品質」な製品が、インドの若者に受け入れられているのだといいます。

もともと物価水準が低いのに加え、コロナ禍の影響で大量の失業者が発生、政府の食料無料配給で糊口をしのぐ人も多い状況。そのため、インド市場で販売台数が最も多いのは、いまだに「千元機(1万8,000円)」。

 中国市場とインド市場で大きく異なるのは、中国市場ではフラッグシップでの競争が最も激烈なのに対して、インドのスマホ市場の消費者はスマホの価格にとても敏感で、フラッグシップは「贅沢品」という位置づけ。

 また、スマホの価格上昇をもたらす要因は多くあります。インドはスマートフォンの消費税率の引き上げがあったのに加え、世界的な半導体不足によるコスト上昇により、スマホ価格の上昇を招いています。どのブランドも、100ドルの価格で高品質のスマホを売って利益を出すことは、ほぼ不可能な状況にあるといいます。

同時に、一部のスマホブランドが搭載している「派手な機能」も、スマホ価格を吊り上げる要因になっていると指摘します。

 絶えることのないスマホ価格上昇に直面した各メーカーは、オンライン販売に力を入れることになります。在宅ワークをしているインドの消費者に家を出ることなくスマホを選ばせると同時に、店舗と人員コストをカットするのが狙い。

 スマホ価格の上昇は、中古スマホ市場の加熱を招きました。最も代表的なのは、1500都市に200万のユーザーを抱える、中古・型落ちモデルのオンライン販売サイト「Cashify」だそうです。インドのリノベーションスマホの潜在市場規模は120億ドルに上ると推定されています。

 Cashifyは中古スマホを買い取った後、検査、修理して「リノベーションスマホ」として転売。これによりユーザーは規格化された商品を手にすることができます。

 しかし、スマホを買取りに出したユーザーによると、買取価格はオンライン査定で双方合意するシステムになっているものの、いざCashifyが訪問買取にくると、その場で値切ってくるのだとか。この発想、マジでインドですね。

 インドのスマートフォン普及率は、今のところわずか17%。インドスマートフォン市場はまだまだ発展の余地が大いにあり、「次の中国市場」になれるか注目されているところだといいます。

小米がインド市場で「信者」を育てる一方で、realmeが価格攻勢によってシェアを大幅拡大しているインド市場。ブランドの小米、コスパのrealmeという形勢になると、他のメーカーがなかなか手を出しづらくなりそうです。

 リノベーションスマホ(ブックオフみたいですね)の市場が形成されているというのも、興味深いところ。それにしても、約定価格を値切りだすの、さすがミネラルウォーター一本買うのにも、お釣りを出させるのにも、一々オッサンと怒鳴り合いをしないといけないことで有名なインドって感じです。

 これ、インド人対インド人だと、どうなっているのでしょう。

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